自動車市場における人気カテゴリは常に時代と共に変化してきました。

1990年代末から2000年代初頭まではステーションワゴン、2000年代はミニバン、2010年代に入ると軽ハイトワゴン・・・ときましたが、ここ数年はSUVの人気がじわじわと台頭しているように思います。

特にハイブリッドシステムを搭載する低燃費のコンパクトSUVは今後のトレンドになる可能性があり、トヨタC-HRの予想を上回る売れ行きにはその萌芽を見て取ることができます。

そこで今回は全ての国産SUVの中から、2017年おすすめのSUV10台をピックアップしてランキング化してみました。

【10位~7位】人気の新型SUVおすすめ比較ランキング

それではまず10位から7位のご紹介です。

10位:トヨタランドクルーザープラド

価格

3,538,080円~5,363,280円

燃費

9.0~11.2km/L

「ランドクルーザー」といえば国産SUVの雄ともいえる存在ですが、ランドクルーザープラドはその派生車種です。

ランドクルーザーは非常に素晴らしい車ですが、世界中のあらゆる過酷な環境下での使用にも耐え得る設計となっているため、SUVというよりも本格的クロカン車に近い存在です。

そのため多くのSUVユーザーに見られる「普段は通勤や買い物、たまにキャンプ」という程度の使い方だと完全にオーバースペックといえます。

しかも価格帯が約472万円~約723万円と非常に高額です。

「本当にランドクルーザーが好きだ」という方にとってはおすすめですが、「そこまで本格的でなくてもいい」「もう少し手軽にランドクルーザーに乗りたい」という方にはこちらのランドクルーザープラドの方が使い勝手がいいと思います。

ランドクルーザーに比べるとやや小柄ですが、室内空間の広さは十分です。悪路走破性もランドクルーザーには劣るものの、多くの方々にとっては持て余すほどの性能は備えています。

9位:レクサスRX

価格

4,950,000円~7,425,000円

燃費

ガソリン仕様:11.2~11.8km/L

ハイブリッド仕様:18.2~18.8km/L

レクサスのSUVはNX、RX、LXの3つがありますが、RXの車格はちょうど真ん中になります。

「レクサスのSUVを買おう」となった時、恐らく多くの方が迷うのが「NXかRXか」ということだと思います。

LXは価格が1,100万円と飛び抜けて高価なので別格になりますが、NXは価格帯が440万円~570万円と一部RXと重複するからです。

ガソリン仕様とハイブリッド仕様があり、ガソリン仕様にはターボがつくという点も一緒です。

最終的には予算と好みの問題にはなってしまいますが、RXはNXに比べると装備の量と質が1クラス上になるので、どちらかというとおすすめしたいのはRXです。

例えばRXには先進的な空調システムである「レクサスクライメイトコンシェルジュ」というのが装備されます。

これは前席の独立温度調整オートエアコンとコンフォータブルエアシートを連携制御することで乗員が全身で感じる心地よさを提供してくれる、というものです。これはNXにはありません。

NXでお手軽にレクサスを体験する、というのも悪くないですが、価格と装備を照らし合わせた際のお買い得度が高いのはRXだと思います。

8位:マツダCX-3

価格

2,106,000円~3,034,000円

燃費

ガソリン車:16.4~17.0km/L

クリーンディーゼル車:21.0~25.0km/L

マツダのSUVはこのCX-3、次にご紹介するCX-5、そして今回のランキングでは対象外となりますが2017年12月登場予定のCX-8があります。

CX-5はCX-3よりも先行して2012年に発売されましたが、日本国内のユーザーを中心にもう少しコンパクトなSUVを望む声が大きく、2015年にCX-3が追加された、という経緯です。

従来はクリーンディーゼル仕様のみでしたが、2017年6月にガソリン仕様が追加されました。

一般的にクリーンディーゼルエンジンはガソリンエンジンに比べると低回転域からトルクが盛り上がるパワフルなフィーリングがウリとなっていますが、マツダのクリーンディーゼルエンジンはいくつかリコール問題が発生していることもあって、ネガティブなイメージを持たれている方もいるかもしれません。

そういう意味ではガソリン仕様が追加されたことはユーザーにとっては選択肢が広がるので、とてもよいことだと思います。

CX-3はいわゆるコンパクトSUVというカテゴリに入り、取り回しが非常にしやすいです。

7位:マツダCX-5

価格

2,494,800円~3,526,200円

燃費

ガソリン車:14.6~16.0km/L

クリーンディーゼル車:17.2~18.0km/L

CX-5はCX-3に比べるとひと回り大きなSUVとなります。

前述のように初代CX-5は2012年にデビューしていますが、現行型CX-5は2017年2月にフルモデルチェンジされた2代目となります。

フルモデルチェンジを受けて先代に比べて何かが劇的に進化した、ということは正直ありませんが、全ての面において5年分の正常進化を着実に遂げている、という感じです。

例えば内装は先代に比べて多少洗練された印象はありますが、広さはほぼ同じです。

エンジンやトランスミッションは先代と同じものですが、どちらもより滑らかに動作するようになっている印象は受けます。

地味といえば地味ですが、各所がしっかり煮詰められて熟成されている、という見方もできるので、あまり冒険をしたくない、どちらかというと安全パイを好む、という保守的な方にはおすすめです。

【6位~4位】人気の新型SUVおすすめ比較ランキング

続いて6位から4位のご紹介です。

6位:スズキイグニス

価格

1,382,400円~1,875,960円

燃費

25.4~28.8km/L

イグニスは2016年2月に発売されたスズキのコンパクトSUVです。

イグニスをSUVに分類することは多少議論が分かれますが、スズキ的には軽クロスオーバーSUVのハスラーと、小型クロスオーバーSUVのエスクードの間を埋めるSUVとしてイグニスを位置づけているようです。

最低地上高は180mm確保されていますし、4WDモデルもありますので、多少の悪路でも走れるという意味ではSUVということでも間違っていないかもしれません。

イグニスの価値はSUVとしては最もコンパクトサイズである、ということに集約されると思います。

とにかく小さなSUVに乗りたいが、軽自動車(=ハスラー)は嫌だ、という方が乗る車です。

5位:スバルXV

価格

2,138,400円~2,678,400円

燃費

15.8~16.4km/L

XVは2017年5月に3代目へとフルモデルチェンジを受けました。SUVの中ではイグニスと並んでややハッチバック寄りのSUVという位置づけになると思います。

スバルは歴史と伝統のある「シンメトリカルAWD」という機構を持っており、XVにも当然全てのグレードがAWDとなっています。このAWDシステムは決して見せかけだけのものではなく、信頼性抜群の本格的AWDです。

通勤や買い物といった普段使いから休日のアウトドアユースまで、違和感なく対応できる懐の深さがXV最大の魅力だと思います。

価格帯も200万円台前半から半ばと比較的お求めやすくなっていますし、ミニバンやコンパクトカーから初めてSUVに乗り換える、という方におすすめです。

4位:日産エクストレイル

価格

2,197,800円~3,098,520円

燃費

ガソリン車:15.6~16.4km/L

ハイブリッド車:20.0~20.8km/L

現行型エクストレイルは2013年にフルモデルチェンジを受けた3代目ですが、既にモデルライフは4年を経過しています。

にも関わらずこの競争の激しいSUVというカテゴリで毎年上位の販売実績を誇っています。

その理由は「本格的クロカン車に迫る悪路走破性を備えていながらリーズナブルである」というところだと思います。

エクストレイルは2WDモデルもありますが、4WDモデルは本格的な4WD機構を備えていてかなり路面状況の悪い場所に持ち込んでも走行可能です。

そもそもエクストレイルは初代の開発コンセプトが「タフギア道具」で、本格的なオフロードユースでも道具として確実に機能することに重きが置かれていました。その姿勢は今でも受け継がれている、ということでしょう。

また初代の開発コンセプトに「4人が快適で楽しい、200万円の使える四駆」というものもありました。さすがに200万円では買えなくなっていますが、多くのグレードは今でも200万円台で買うことができます。

シートやラゲッジルームが防水仕様になる点なども含めて、アウトドアライフをアクティブに楽しむ方にぜひ乗って欲しいSUVです。

【3位~1位】人気の新型SUVおすすめ比較ランキング

それではいよいよベスト3の発表です。

3位:トヨタハリアー

価格

2,949,480円~4,604,040円

燃費

ガソリン車:12.8~16.0km/L

ハイブリッド車:21.4km/L

ハリアーはレクサスNXとエンジンやプラットフォームを共用しています。

それでいて価格帯はハリアーの方がかなり下になっている、という点が人気を集めています。

現行型の3代目ハリアーは2013年にフルモデルチェンジを受けていますが、2017年6月に大規模なマイナーチェンジがありました。

目玉は何といっても直4 2.0Lターボ(ガソリン仕様)の追加でしょう。燃費ばかりが重視される今の自動車市場にあって、あえて燃費が落ちて走り重視のターボモデルを追加したトヨタの姿勢は評価されるべきだと思います。

もちろんスポーツカー並みの走りを望めるわけではありませんが、SUVらしからぬキビキビとした元気の良さを見せてくれます。

また全車に衝突回避支援パッケージである「Toyota Safety Sence P」が装備されたことも大きいです。安全装備面で最新モデルと比べても遜色がなくなったので、ハリアー人気はまだまだ衰えずに続くものと思われます。

2位:ホンダヴェゼル

価格

1,920,000円~2,886,000円

燃費

ガソリン仕様:19.0~20.6km/L

ハイブリッド仕様:21.6~27.0km/L

ヴェゼルは現行型のハリアー、エクストレイルと同じく2013年に登場しましたが、2014年から2016年までの3年に渡って「その年最も売れたSUV」の座に輝いています。

これは「近年のSUVユーザーはこのような車を求めている」ということの表れでしょう。

ヴェゼルが売れた要素は、SUVであるということを除けば「最新のトレンドを反映したボリューミーな外観」「コンパクト」「ハイブリッド」ということになります。

コンパクトカーであることを考えると価格帯は若干高めですが、ミニバンは走りがよくないので飽きてしまった方や、子供が大きくなって家族全員で出掛ける機会が少なくなり、大きなミニバンは必要ない、という方などの次の受け皿としては中々いい選択肢なのかな、と思います。

サイズ的には扱い易いですし、燃費を優先するのならハイブリッド仕様もある、SUVなので視点が高く運転もラク・・・とおすすめポイントが非常に多いです。

買って後悔する可能性が極めて低いSUVといえます。

1位:トヨタC-HR

価格

2,516,400円~2,929,200円

燃費

ガソリン仕様:15.4km/L

ハイブリッド仕様:30.2km/L

2017年人気の新型SUVおすすめ比較ランキング、第1位はトヨタC-HRです。

C-HRは2016年も押し迫った12月に彗星のごとく表れ、その後今に至るまで非常によく売れています。

一般財団法人日本自動車販売協会連合会(自販連)のデータによると、2017年上半期のSUV販売台数1位は既に確定しています。恐らく年間での1位もほぼ確実でしょう。

カテゴリ的には2位のヴェゼルともろに競合しますが、C-HRが王者ヴェゼルを凌ぐ売れ行きとなっているのは走りの良さと燃費がヴェゼルを超えているからだと思います。

走りの良さについては発売直後から各所で評価する声が上がっていましたが、その理由はリヤサスを高級車やスポーツカーと同じダブルウィッシュボーン式を採用すると共に、ダンパーにF1などのモータースポーツで評判の高いドイツのザックス社製のものを装備していることが大きいです。

この2つのおかげでハンドリングはスポーツカー並みの楽しさになっています。これはヴェゼルに対する大きなアドバンテージです。

走りに対して関心がない、という方でも、30km/Lを超えるハイブリッド仕様の燃費には目を奪われるはずです。ヴェゼルのハイブリッド仕様の最高燃費は27.0km/Lですが、これは廉価グレードのもので、上位グレードは20台半ばになります。

最近のユーザーは燃費を非常に重視するので、このインパクトは大きいです。

人気の新型SUV おすすめ比較ランキングのまとめ

以上、2017年人気の新型SUVをおすすめ順にランキング形式でご紹介しました。

2016年末から2017年にかけては人気車種のフルモデルチェンジや、メーカーが力を込めた意欲作がデビューするなど、SUV市場は動きが多かったと思います。

市場の動きが活発ということはユーザーにとっては魅力の多いモデルがたくさん出ている、ということなので、歓迎すべきことです。

今回のランキングはあくまでも筆者と編集部の独断と偏見ですので、あくまでも参考程度に留めていただき、ご自身のニーズに合ったピッタリのSUVを見つけるようにしてください。

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